見えない場所を、愚直に掘る

中四国を中心に深礎工事を手がけている、北陵工業の小野です。

事務所の窓を開けると、むっとした夏の熱気とセミの声が飛び込んできました。現場で汗を流す仲間たちの顔が浮かび、思わず冷たいお茶を一口飲み干す、そんな今日この頃です。

地味だけど、いちばん大事な作業

いま私たちが向かい合っているのは、橋の足元を強くする橋梁耐震補強工事の現場です。大きな橋を陰で支える橋脚の補強なんですが、ここで「ライナー掘削」という特殊土工の技術を使っています。

簡単に言えば、円形の鋼製リングを組み立てながら、自分の手足を使って地道に穴を掘り進めていく仕事です。

そこは湿った土の匂いと、絶え間なく響く機械の音が広がっています。顔も作業服も泥だらけ。派手さはどこにもありません。けれど、万が一大きな地震が来たときに橋を倒さないための、命を守る土台づくりです。本当に大事な仕事の一翼を担っていると考えると、誇らしくもあり責任重大でもあると感じてしまいます。

あと少し、みんなの笑顔とともに

そんな地道な手作業をコツコツと積み重ねて、この現場もようやく全体の9割ほどまで掘り進めることができました。

穴の底で汗を拭いながら「もう少しだな」とニッコリ笑う職員の表情を見ていると、本当に頭が下がる思いになります。

目立つ仕事ではありません。補強工事が完成してしまえば、私たちの掘った穴も、再度埋め戻されすべて土の中に隠れて見えなくなってしまいます。

でも、目に見えない場所だからこそ、絶対に手を抜かない。だれかの日常を足元から支える仕事に、私たちは誇りを持っています。

こんな泥臭くもかっこいい現場で、一緒に汗を流してくれる仲間が一人でも増えてくれたら、これ以上嬉しいことはありません。明日もまた、安全第一で泥にまみれてきます。